歓楽街にネオンがともる頃
自動販売機に背中をくっつけて
ボンヤリ通りを眺めてた
こうしていると少しは温かいんだ
あたしは背がひくいから
ヒールの高いブーサンを履いている
エアロビ続けてるから
豹柄のミニスカの脚は自信がある
裏通りの安いバーからオッサンが出てきて
あたしは派手な色の紅ぬった唇すぼめて
可愛い女の子風にほほ笑んでみせる
フラフラ千鳥足のオッサンは立ち止まった
あたしは両手でミニスカの尻をなぜて
何食わぬ顔で裾をゆっくり捲ったんだ
オッサンはノーパンのあたしに一目惚れ
しきりに名前を聞かれてうさぎって答えて
オッサンはあたしの手を握って放さない
二人で手をつないでいつものホテルに歩いた
名前のつぎはしつこく年齢を聞くから
仲良くなったら教えると胡麻化した
オッサンは歩きながらずっと話してる
あたしは歩きながらずっと頷いている
オッサンはあたしが気に入って肩を抱いて
あたしもオッサンにピッタリくっついた
オッサンの手があたしの胸元をまさぐって
あたしはされるまま乳房を揉まれてる
熱くなったオッサンが通りの角で抱き付いて
そのまま唇が重なって舌と舌を絡め合った
あたしはオッサンの寂しい手をとって
ミニスカの前を好きなだけ触らせたんだ
すっかり興奮状態のオッサンの背中を押して
「ここに入ろう」とホテルに連れ込んだ
オッサンが背中を丸めて部屋代を払って
フロント係に同伴者の年齢を確認されて
あたしは適当に書いてとウインクした
明るいフロアの壁鏡にあたしが写ってる
そうだった今夜はあたしの四十歳の誕生日・・・