2020年12月10日木曜日



 神奈川県・三浦半島

三浦市宮内町八景原の断崖に古い供養塔が建っている

伊勢や志摩の貧村から三崎遊郭に売られてきた娘たち

遊郭の苦しい暮らしから逃れて我が身を投じたと云う

故郷に続く青い海であることがせめてもの救いだろう


凍凪や人買船は苦海ゆく

遊女棄つ八景原の月時雨

帰り着け凍凪の果て飢えた家

売り棄てた娘にせがむ木綿夜着

凍凪や名残の菓子の遊女塔