2022年5月20日金曜日

俳句

 



朱い実の落ちて潰れて秋深し


愚痴ならべ聞く人もなく初笑い

水仙は薄陽の白を盗みけり

木漏れ日を一歩一歩や老の春


春さんへ小さい花ですいません

春の昼猫もわたしもごろ寝よし

雀の子おにぎり分ける野宿人

そぼそぼと紅濯がれて落椿


風も陽も三月

生きのびて春


野鳥たちソプラノ競う立夏かな

道端に風も見過ごし初夏の精

火砲鳴る悲劇に悲劇母の日も

呼子鳥九条一宇鳴いたとさ


走り梅雨猫の欠伸を貰いけり