2016年10月15日土曜日

赤い花

いましがた雨がやんで

冷たい泥土に赤い花が落ちた

わたしは秋の初めの碧空の下で

それは美しく咲いた花なのです

ひらりひらり舞う蝶やら

透明な羽を鳴らす蜜蜂が

先をあらそい飛んできた

まばゆい秋の日にわたしは輝いて

うらやむように秋草がゆれていた


音なし雨がふりだして

湿った泥土が赤い花を汚した

わたしは別れを告げないけれど

どこかで風が小さな声で囁いて

蝶が知ったら悲しむだろう

蜜蜂が知ったら泣くだろう

わたしはみんなの涙にたえられない

この世のあかしはなにも無いけれど

たしかに生きて たしかに咲いたんだ

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